カプコンとNew Relic
2025-10-21 12:21:18

カプコンがNew Relicを導入し共通基盤の安定性を向上!

カプコンがNew Relicを導入し共通基盤の安定性を向上!



カプコンがオブザーバビリティプラットフォーム「New Relic」を導入し、数十のゲームタイトルを支える共通基盤の安定運用を実現しました。この取り組みにより、システムのパフォーマンスが可視化され、運用の効率性が大幅に向上しました。以下では、その導入の背景や具体的な効果について詳しく見ていきましょう。

導入の背景


カプコンは1983年に設立され、多くの有名ゲームシリーズをリリースしてきたゲーム業界のリーダー企業です。代表作には「バイオハザード」「モンスターハンター」「ストリートファイター」などがあり、さまざまなメディアやジャンルに展開する「ワンコンテンツ・マルチユース」戦略を進めています。このような中、カプコンはゲームタイトルを支えるために「カプコン共通基盤」を開発し、2020年夏から運用してきました。

この共通基盤では、アカウント管理やプロフィール管理、同意規約管理など、ゲームが必要とする機能を一元化し、多くのゲームタイトルで共有しています。しかし、複数のゲームが同時に運用されるため、システムは常に安定して稼働する必要があります。

オブザーバビリティプラットフォームの選定


カプコンでは、この共通基盤の安定運用を実現するために、システム全体の可視化を可能にするオブザーバビリティプラットフォームの導入を決定しました。New Relicはその候補となり、2020年4月から試験的に使用を始め、同年7月から正式に採用されました。New Relicの強みは、ユーザー数に応じた明確な料金体系と、統合されたデータ収集・可視化機能であり、導入の決め手となりました。

導入後の具体的な効果


New Relicの導入により、カプコンは以下のような効果を得ています。

1. システムの可視化


New RelicのAPMやログ、アラート機能を活用することで、開発から本番運用までの各フェーズでシステム全体のパフォーマンスが可視化されました。特に、外部サービスとのパフォーマンスを把握できる「External Services」機能により、課題の早期発見と迅速な対応が可能となりました。これにより、障害対応時間が平均1時間短縮されています。

2. TiDBとの連携


2024年9月には、「アカウント管理」と「プロフィール管理」のデータベースをTiDBに切り替えました。TiDBとの連携により、リソース使用状況やクエリ情報を簡単に可視化でき、開発から本番運用までの一貫したオブザーバビリティが確立されました。

3. 運用効率の向上


従来の複数のツールを統合し、New Relicへのリプレースを実施することで、運用の効率性が改善され、コストも最適化されました。また、監視設定のTerraform化により、設定ミスの軽減も図られています。

今後の展望


カプコンは共通基盤を活用したゲームタイトルの拡充を進めるとともに、監視体制の強化や運用の自動化を計画しています。また、AI機能を検討し、エンジニアの負担軽減を図る姿勢を見せています。最終的には、クラウドコストの一元的な可視化も目指しており、デジタル変革の推進を続けていく考えです。

最後に


カプコンの福井勝貴氏は、「共通基盤の開発・運用を通じて、タイトル開発者がクリエイティブなものづくりに専念できる環境を目指している」と述べています。この取り組みは、今後のゲーム業界における運用の効率化やコスト削減のモデルケースとなることでしょう。カプコンのさらなる成長に期待が高まります。


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