港湾法改正案が閣議決定！海面上昇や災害対策に向けた取り組み

港湾法の改正案が閣議決定

2023年2月7日、国土交通省は「港湾法等の一部を改正する法律案」を閣議決定しました。この法案は、令和6年の能登半島地震の影響を受けて、発生した課題を解決し、特に緊急物資の輸送拠点としての港湾機能の合理化と強化を目指しています。

背景

昨年発生した能登半島地震は、港湾の重要性を再確認させる契機となりました。このような災害時に迅速かつ確実に物資を運ぶため、港湾の機能を強化する必要性が高まっています。さらに、気候変動による海水面上昇も、港湾エリアの水浸しのリスクを増加させているため、官民協力による備えも求められています。

法律案の主な内容

法律案では、主に以下の4つの点が強調されています。

1. 緊急物資等の輸送拠点確保
港湾施設の応急復旧に他人の資材活用を可能にする制度や、民有港湾施設の利用を促進する協定制度の新設により、より柔軟な対応が可能になります。特に、倒壊などの危険がある港湾施設に対する勧告制度の拡充が重要です。国から港湾管理者に対して支援船舶の入港需要等の情報を提供することも含まれています。

2. 海水面上昇への対応
気候変動に伴う海面上昇への備えを促進するため、官民による連携を強化します。具体的には、護岸の嵩上げやコンテナの固定や卜」といった対策を講じるための協議会や協定制度を創設します。

3. 技術職員の支援
港湾管理者が技術職員不足に直面している現状を踏まえ、国による高度な技術を要する港湾工事の代行制度を創設します。このことで、港湾の適切な機能を維持するための工事が効率よく実施できることを目指します。

4. 洋上風力発電の基盤整備
洋上風力発電の推進に向け、基地港湾の一時使用の調整を行うための協議会制度を創設します。これは、再生可能エネルギーの普及にも寄与する取り組みとなるでしょう。