シリコン・モーション、Computex 2025で革新的なSSDコントローラ技術を紹介

シリコン・モーションがComputex 2025で新世代SSDコントローラを発表

2025年5月15日、台湾・台北にて行われたCOMPUTEX 2025において、シリコン・モーション・テクノロジー・コーポレーションは、次世代のSSDコントローラのラインナップを発表しました。特に注目すべきは、超低消費電力で高性能を実現する「SM2504XT」と、USB4に対応した初のシングルチップコントローラ「SM2324」です。

SM2504XT: AI駆動型クライアント向けの革新

SM2504XTは、業界最高水準のワットパフォーマンスを誇るPCIe Gen5 DRAMレスコントローラです。TSMCの6nmプロセスを用いたこのコントローラは、シーケンシャルリード速度で最大11.5 GB/秒、ライト速度で最大11.0 GB/秒を実現し、消費電力が5W未満であってもランダムIOPSは最大1.7Mリードと2.0Mライトに達します。

このコントローラは、前世代比でワットパフォーマンスが11%向上しており、PCIe Gen5のクライアントSSDコントローラにおける新しい基準を確立しました。また、AI PCやゲームシステムに最適化され、最新の3D TLCおよびQLC NANDをサポートしているため、コスト効率と高性能を兼ね備えたSSDソリューションとして期待されています。

SM2324: ポータブルSSDを新たな次元へ

一方、SM2324はネイティブUSB4と内蔵電源供給を備えた、初のシングルチップポータブルSSDコントローラです。このコントローラは、最大4,000 MB/秒のシーケンシャルリード及びライト速度を提供し、最大32TBのストレージ容量をサポートします。シングルチップアーキテクチャによって、設計が簡素化されるだけでなく、BOMコストも削減され、市場投入までの時間を大幅に短縮することが可能です。

シリコン・モーションのクライアントおよび車載用ストレージ事業のシニアVPであるネルソン・デュアン氏は、「SM2504XTは、比類なき性能と電力効率をもたらし、PCIe Gen5クライアントSSDにおける新たなベンチマークを確立しました」と述べます。さらに、SM2324は完全に統合されたシングルチップUSB4ソリューションとして、ポータブルストレージの新しい定義を提示しています。

幅広い製品ポートフォリオ

シリコン・モーションは、新たなクライアントおよびポータブルSSDコントローラの他にも、車載、AIスマートフォン、データセンター、エンタープライズSSD向けの多様なコントローラソリューションを展示しています。これらの製品群は、インテリジェント車両やエッジデバイス、さらにはクラウドインフラストラクチャや没入型ユーザーエクスペリエンスまで、多岐にわたるAI駆動型アプリケーションを支えます。

COMPUTEX 2025では、台北南港展示センター、ホール1の3階スイートG0001にて、これらの新技術が紹介されています。シリコン・モーションの最新テクノロジーを見学し、次世代のストレージソリューションを感じてみてはいかがでしょうか。