和ゲーと洋ゲーのUI/UXを徹底比較
株式会社クリーク・アンド・リバー社(C&R社)は、7月18日(金)に実施されたオンラインセミナー「和ゲーと洋ゲーのUI/UXを徹底比較」セミナーのアーカイブ映像を、無料で配信中です。このセミナーでは、日本独自のデザインアプローチと欧米のスタイルの違いに焦点をあて、実際のゲームデザインにどのように影響を与えているのかを講師のマシュー・モス氏が解説しています。
セミナーの内容
1. UI/UXの文化的基礎
日本のUIデザインは、密度と視覚的なセンスを重んじ、特に色彩の使い方や情報の詰め込み方に特化しています。それに対して、欧米のUIはシンプルさと機能的なデザインを選好します。この根本的な違いを理解することで、両者のゲームデザインにおけるアプローチの特性を探ります。
2. メニューとダイエジェティックデザイン
日本のゲームでは、レイヤーメニューが多く採用されているのが特徴です(例: 『モンスターハンター』や『ペルソナ』)。対して、西洋のゲームではインワールド表示やHUDの軽量化が好まれ(例: 『DEAD SPACE』や『The Last of Us』)、画面外での情報の「見えない」使い方が重視されています。
3. 視覚的階層とプレイヤーフロー
日本のデザインは学習曲線を考慮し、探求心のあるプレイヤーに報酬を与える仕組みがあります。一方、洋ゲーはプレイヤーを迅速に導き、短時間で理解できるよう配慮されています。このセミナーでは、ユーザーが挑戦を感じるべきなのか、あるいは決断を容易にするべきなのかについても考察されています。
4. 地域を越えた適応
日本のUIを欧米市場向けにローカライズする際には、視覚的な複雑さを減少させることが一般的です。しかし、ビジュアルアイデンティティを損なわずにユーザビリティを保つ方法についても詳細に分析されました。
5. アクセシビリティとインクルーシビリティ
近年、欧米のスタジオでは、初めからアクセシビリティを考慮したUI設計が進んでいます。日本でもその方向性が示され始めており、全てのプレイヤーが楽しむことができる「インクルーシブUI」の構築について議論されています。
対象者
このセミナーは、ゲームデザイナー、ゲーム開発者、キャラクターデザイナー、イラストレーター、クリエイティブディレクターを対象にしており、具体的なデザインのベストプラクティスを学ぶための素晴らしい機会です。
参加方法
アーカイブ映像は有料ではなく、癖のある技術者やクリエイターが新たな視点を得るために大いに役立つ内容となっています。興味のある方は、以下のリンクからご登録の上、是非ご覧ください。
セミナー詳細・お申し込みはこちら
このセミナーを通じて、和ゲーと洋ゲーの違いを理解することで、今後のプロジェクトにおけるデザイン選択に役立てていただければ幸いです。発展を続けるゲーム業界の中で、新たな知識を身につけ、実践へと活かす機会としてぜひご活用ください。