ネクソン、2024年度業績発表
2024年度の第4四半期及び通期連結業績の発表が行われ、株式会社ネクソンは過去最高の通期売上収益を達成したことを報告しました。社長のイ・ジョンホン氏は、安定的な成長と収益性の向上を掲げ、さまざまな新戦略に取り組む意向を表明しました。
業績概要
第4四半期の成績
2024年度第4四半期の売上収益は797億円で、前年同期比では6%の減少を記録しました。これは、特に『FC』フランチャイズや『The First Descendant』といった主要タイトルが期待を下回る結果に終わったことが影響しています。加えて、一時的な減損損失70億円を計上したことから、営業損失は17億円となりました。
ただし、四半期収益は320億円で、企業の業績予想を上回る結果となり、米ドル建てで317億円の為替差益が寄与しました。
通期の成果
通期の売上収益は4462億円で、前年比5%の増加を記録し、過去最高を達成しました。一方で、営業利益は前期比で8%減少し1242億円となりましたが、当期利益は91%増の1348億円でした。これには為替差益の増加と過去の減損損失の影響が大きく寄与しています。
フランチャイズの成長と展望
ネクソンは2027年中期成長戦略の一環として、既存フランチャイズの強化と拡大に注力しています。『メイプルストーリー』や『アラド戦記』などの3大フランチャイズの収益は10%成長し、連結売上収益の74%を占めています。
『アラド戦記』の盛り上がり
特に『アラド戦記』に関しては、中国市場での『アラド戦記モバイル』が好調に推移しており、プレイヤー数も増加。ローンチに伴う収益は53%成長しました。今後は、テンセントとの共同開発契約締結によって、さらなる成長を加速させる方針です。
『メイプルストーリー』の国際展開
一方『メイプルストーリー』では、韓国の収益は減少傾向にあるものの、グローバルでの成長は見込まれています。北米や南米での展開も好評を博しており、今後の成長が期待されています。
新作ゲームの開発
2024年度以降、ネクソンは新作ゲームを7つ計画中で、いずれも年間100億円以上の売上収益を見込んでいます。これらの新作は、特にゲーム市場の可能性を広げ、プレイヤーに新しい体験を提供することが目的です。中でも『Project OVERKILL』や『Vindictus: Defying Fate』などのタイトルに注目が集まっています。
株主還元と今後の展開
ネクソンは強力なキャッシュフローを維持しつつ、自己株式の取得を進める方針も示しています。2024年度末時点での現金残高は6000億円を超える見込みであり、2025年も安定した配当維持を計画しています。
今後の業績見通しとしては、2025年第1四半期には売上収益約1099億円から1221億円を、営業利益は296億円から354億円を見込んでおり、今後も堅調な成長が期待されています。
まとめ
全体として、ネクソンは新たな目標に向けて多くの戦略を打ち立てていることが明らかになりました。市場の変化に柔軟に対応しながら、安定した成長と株主への還元を目指す姿勢は、多くのファンや投資家にとって期待できる要素となるでしょう。また、次世代のタイトルや新たなプラットフォームへの展開は、ネクソンの今後の成長の鍵を握っていることでしょう。