日本IPコラボが中国スマホゲーム市場で進化中
近年、中国のスマホゲーム市場において、日本のアニメやマンガ、キャラクターとのコラボレーションが盛んに行われています。スパイスマートによる調査から、この動向が急速に進化していることが明らかになりました。特に、2023年から2024年にかけてコラボタイトルが前年比で35.7%増加しており、こうしたコラボイベントの成功要因や市場の影響を詳しく見ていきましょう。
調査概要と結果
スパイスマートの調査は、2023年12月1日から2024年11月30日の期間に中国App Storeの平均セールスランキングTop200に位置するゲームタイトルを対象としています。この調査では、日本のIPとのコラボを行った作品が鍵となります。このデータに基づくと、2023年には14タイトルがコラボを実施、2024年には19タイトルにまで増加し、その成長率は35.7%に達しています。これに対し、コラボ対象のIP数は減少傾向にあり、復刻や続編のイベントが多く見られます。このことが示すのは、中国のゲーム企業が選択するIPの幅が狭まりつつあることです。
人気のIPとは?
2024年の調査では、「初音ミク」「ウルトラマン」「サンリオキャラクター」など、中国のユーザーに特に人気のあるIPが多く選ばれています。一方で、近年の新作IPとのコラボは目立たず、特にゲーム『ArkNights(明日方舟)』が近年人気のIP「ダンジョン飯」とコラボをした例が唯一と言えるでしょう。このゲームはコラボ開始前はセールスランキング69位でしたが、開始後には5位にまで上昇しています。市場においては、長年親しまれたロングラン作品が好まれる傾向が見えるため、中国のゲーム企業はコラボイベントを成功させるため、安定した人気を誇る作品を重視しているようです。
成功の方程式
ゲーム企業がコラボ対象のIPを選ぶ際には、ユーザー層の広さと人気度の両方が重視されます。この戦略により、コラボイベントの成功率を高めようとしているのです。ゆえに、コラボ作品が長年のファンを持つIPに偏っていることが確認されています。新規IPのコラボが増えることを期待する声もありますが、現状では既存の人気IPを中心に展開されているのが実情です。
市場の将来を見据えて
スパイスマートの調査は、日本・中国・韓国・米国を対象に毎年継続的に行われており、データが国際的に収集されているため、適切な市場分析に役立っています。また、これらの情報はLIVEOPSIS(ライブオプシス)というプログラムを通じて会員向けに提供されています。無料で公開されるサンプルレポートもあり、ゲーム市場に興味がある方には非常に有益な資源です。
中国市場における日本IPとのコラボの動向は、今後も注視していく必要があります。単なるコラボレーションにとどまらず、ユーザーの期待を超える新しい展開も期待したいところです。
まとめ
日本IPとのコラボが急増する一方で、IPの選定には明確なトレンドが見られる中国のスマホゲーム市場。今後の動向は、ゲーム企業がどのように新しいIPを活用し、ユーザーの心を掴むことができるかにかかっています。特に、コラボの成功率をどう確保するかが重要な課題となるでしょう。