デジタルハーツ、HUWIZを傘下に迎えた意義
2023年11月6日、株式会社デジタルハーツホールディングスは、ゲーム向けのデバッグとQAを提供するHUWIZ SOLUTIONS INC.を全株取得し、連結子会社とすることを決定しました。この動きは、拡大を続けるゲーム市場における競争力を高めることを目的としています。
背景と目的
現在、ゲーム業界は世界中で急成長を遂げており、特に複数の国や地域への同時展開が求められています。このような環境において、デジタルハーツは従来のデバッグ・QAサービスに加え、翻訳、LQA、マーケティング支援、さらには多言語音声収録などのワンストップサービスを提供することで、エンターテインメント業界における“グローバル・クオリティ・パートナー”としての地位を確立しようとしています。
特にデバッグについては、20年以上にわたる経験と品質へのこだわりが、海外のクライアント獲得に繋がっており、インドでの専用拠点設立や約8000名のユニークな人材を活用した新しいオペレーション体制の強化が進められています。その一環として、HUWIZの連結子会社化が選択されたわけです。
HUWIZの概要
HUWIZはカナダ・モントリオール近郊に位置する企業で、ゲームソフトに特化したデバッグとQAのプロフェッショナルとして知られています。ゲーム産業の中心地であるモントリオールには、ゲーム開発の知識を持った優秀な人材が集まり、HUWIZは2017年の設立以来、安定した成長を続けています。
そこには、地元のカナダのスタジオだけでなく、欧米の人気ゲームシリーズの品質向上支援も行っており、その実績は広く認知されています。
連結子会社化の意義
デジタルハーツはHUWIZを子会社化することで、デバッグ及びQAのノウハウとリソースを合理化し、グループ全体のシナジーを追求します。特に、HUWIZの持つデバッグ技術や効果的な運用モデルを取り入れることで、グローバルな展開を加速させ、国際的な市場における競争力をさらに強化する狙いがあります。
実際に、デジタルハーツはHUWIZの英語リソースを利用することで、欧米市場のクライアント基盤を拡大することが見込まれています。デバッグ、QA、LQAなどのサービスが一貫して行える体制が整えば、クライアントにとっても使い勝手が良く、有益です。
経済的インパクト
HUWIZの取得には、約16,562千カナダドル(約1,801百万円)の費用がかかり、これにはアドバイザリー費用も含まれます。子会社化後には100%の議決権を持つこととなり、地域に根ざした成長を続けるHUWIZとの連携が期待されます。
今後、デジタルハーツは、HUWIZから得られる多様な知見をもとに、ゲーム業界のトレンドに対応し、さらなる成長を目指す考えです。2026年3月期の業績に与える影響は軽微であると見込まれていますが、必要に応じて業績予想を修正することで、柔軟な経営を行う意向です。
まとめ
デジタルハーツホールディングスがHUWIZを連結子会社化することで、両社のデバッグ・QAノウハウを活かし、グローバルな市場での競争力を強化する新たな一歩が踏み出されました。この動きがどのようにゲーム業界に影響をもたらすか、今後の展開に注目が集まります。