兵庫県が取り組む闇バイト対策、ゲーム「レイの失踪」による教育の実施

最近、特に若年層の間で深刻な問題となっているのが闇バイトです。特殊詐欺の被害が過去最高額に達する中、兵庫県もこの問題を重く見て、独自の対策を講じることになりました。2025年3月には、兵庫県内の県立高校2校で「レイの失踪」という疑似体験ゲームを用いた授業が実施される予定です。この授業は、兵庫県とEdtechスタートアップの株式会社Classroom Adventureが共同で行うもので、闇バイトに対する理解を深めることを目的としています。

闇バイトは、学生たちにとって身近な存在になりつつあり、特にSNSを利用した勧誘は巧妙さを増しています。最近の調査では、高校生の約77%がネット上の危険な求人情報を見分けることができないという結果が報告されています。さらに、大学生の約40%が一度は闇バイトの勧誘を経験しているというデータも示されています。こうした状況を踏まえ、従来の一方通行の教育手法ではなく、もっと効果的な教材が求められています。

「レイの失踪」というゲームは、生徒が自らの視点で闇バイトの危険を体感できる内容で構成されており、リアルなSNS環境を模して「勧誘される」「騙される」「抜け出す」といった一連の流れを疑似体験できるのが特徴です。これは単なる学習ではなく、生徒たちが直面する可能性のあるリアルな状況を事前に体験することで、警戒心を高める狙いがあります。導入済みの学校では、経験者の98%が知識が深まったと感じているというデータもあり、教育現場での期待が寄せられています。

兵庫県では、「レイの失踪」を使った授業をモデルケースとして、県立姫路商業高等学校と県立龍野北高等学校で行います。これにより、闇バイトに対する認識を高めるとともに、青少年に必要な情報教育を施す新しいアプローチを確立しようとしています。この施策は、学校と県が連携し、今後の展開にも期待が高まるものです。

また、闇バイトの問題を解決するためには、官民連携が不可欠です。今回の取り組みはその一環であり、今後Classroom Adventureはさらに多くの自治体と協力し、闇バイト防止の教育普及を進める意向です。このような新しい学びの形が、若年層を詐欺から守る重要な一歩になることが期待されています。

具体的には、授業は県内の高校で3月に実施され、その反響も注目されています。今後の教育方針にとどまらず、広く社会全体への啓蒙のためにも、こうした取り組みが全国展開されることが望まれます。若者たちが自らの未来を守る力を養うためにも、「レイの失踪」のような先進的な教育プログラムを取り入れることで、より効果的な対策が実現されることを期待しましょう。