物語の世界をデザインする
身体だけではなく、心に残るストーリーを伝えるためには、どのような舞台設定が必要でしょうか?マルコス・マテウ=メストレ氏の書籍『物語の世界をデザインする』は、そのプロセスを解説した興味深い一冊です。著者は、アニメーション業界での豊富な経験を活かし、物語の構築に欠かせない背景や環境デザインの重要性を教えてくれます。
物語を引き込む舞台作りの基礎
本書は、まず物語における舞台の役割について言及します。舞台は単なる背景ではなく、キャラクターの感情を引き起こし、ストーリーを進行させるために巧妙に設計されるべきです。そして、読者は環境デザインの基本的な考え方を学ぶことができます。具体的には、脚本の読み解きから始まり、資料収集や分析の方法、デザインの全体像を把握し、細部にまで気を配ることの重要性が語られています。
構築するためのプロセス
マルコス氏は、物語の世界構築のプロセスを段階的に説明します。まず、カメラの視点を意識して空間をどのように見せるかを考えます。さらに、建物のデザインと周囲の環境を調和させるそれぞれの考え方や、光や天候の演出をどのように取り入れるかが詳述されています。これらの要素は、舞台をよりリアリティあるものにし、観客が物語に没入できる環境を提供するために不可欠です。
デザインの知見が詰まった一冊
この書籍は、環境デザインが単なる舞台装置ではなく、ストーリーの一部として機能することを教えてくれます。アクションや感情がどう表現されるか、どのように観客に伝わるかを意識した設計が求められるのです。具体例を交えた解説がされているため、読者は実践的な知識を得ることができます。
洗練されたビジュアル
本書には、豊富なビジュアルも含まれています。実際にデザインする際に役立つ情報を提供し、アイデアや解決策を視覚的に示します。視覚表現が作品にどのように深みとリアリティを与えるかを理解する手助けとなり、読み応えのある内容となっています。
推薦者の声
背景デザイナーのわいっしゅさんは、本書を「背景デザイナーの羅針盤」と称賛。世界を創造するための基本的な工程がしっかりと網羅されており、コンセプトアーティストを目指す人々にとって有用なリソースです。
著者プロフィール
マルコス・マテウ=メストレ氏は、ドリームワークス・アニメーションやSony Pictures Animationなどでビジュアルデベロップメントを行い、近年ではNetflixの『Ultraman: Rising』のプロダクションデザイナーとしても知られています。彼の豊富な経験からくる知見を集約した本書は、映像制作に携わるすべての人におすすめできる内容となっています。
書籍情報
- - タイトル: 物語の世界をデザインする 背景でストーリーを伝えるための必須常識 Framed Environment Design 日本語版
- - 発売日: 2025年8月下旬
- - 発行: 株式会社ボーンデジタル
- - 価格: 5,500円
- - ISBN: 978-4-86246-644-0
この一冊を手に取り、あなたの物語づくりを次の次元へ引き上げてください。