2024年スマホゲーム市場総括：新たな潮流と持続する人気タイトル

株式会社スパイスマートが発表した2024年のスマホゲーム市場動向レポートは、昨今のゲーム業界の変化を映し出しています。今年の調査結果によれば、日本のApp Storeセールスランキングに新たに登場したタイトルが、2020年以来4年ぶりに20作を超えました。この新たな流入は、スマホゲーム市場における革新の兆しを示しています。

注目の新作とIPタイトルのトレンド

特に目を引くのが、人気タイトルの中で最も勢いを見せたのが『Pokémon TCG Pocket』です。このタイトルは、他の新作を凌ぐ存在感を示し、トップの座を確保しました。また『学園アイドルマスター』や韓国WEBTOONを原作とした『俺だけレベルアップな件：Arise』など、国境を越えたIP作品も多数ヒットしています。さらに、放置系RPGの『キノコ伝説』や、『ゼンレスゾーンゼロ』のような新たなゲームデザインの作品も注目を集めています。

一方で、2025年度には運営10年を超えるタイトルが24作にのぼり、長寿作品の人気がしっかり根付いている点は、特に日本市場の特徴です。これにより、過去の成功作が依然としてプレイヤーに支持されていることが伺えます。

IPタイトルの安定した強さ

2024年の調査では、トップ100にランクインしたタイトルのうち、40タイトルがIP関連であることが分かりました。この数値はここ数年安定しており、特に日本発の家庭用ゲーム原作やアニメ作品が人気を集めています。『ポケットモンスター』や『ドラゴンクエスト』だけでなく、『ドラゴンボール』や『ワンピース』といった長寿アニメの魅力も依然として高いようです。

海外タイトルの躍進

驚くべきは、海外発のゲームが53タイトルに達し、これが初めての過半数超えとなったことです。特に中国のゲーム企業が開発する放置RPGやストラテジーゲームの人気が上昇しており、本格的なRPGタイトルが増えている点が影響しています。具体的には『原神』や『崩壊：スターレイル』など、深いゲームシステムとSNSでのキャラクター人気が相乗効果を生んでいます。このことは、SNSから見たヒット傾向調査でも明らかになっています。

SNSから見るヒット傾向

スパイスマートの調査によると、ゲーム公式アカウントのSNS活動は、プレイヤーの反響に大きな影響を与えていることが分かります。特に、キャラクターがSNS上で大きな支持を受けていることが、各タイトルの継続的な人気に寄与しているのです。ゲームがSNSを通じてどのように拡散されているかは、今後の市場の動向を見極める上で重要な要素になるでしょう。

未来への期待とトレンド

スパイスマートの分析は、今後のスマホゲーム市場の発展について新たな洞察を与えてくれます。多様なジャンルのゲームが台頭し、プレイヤーの嗜好も日々進化しています。次なる流行を生むためには、開発者たちが既存の成功事例を越えた革新を目指すことが必要でしょう。2024年の市場は、単なる過去の遺産に留まらず、新しいゲーム体験を求めるプレイヤーの期待に応えていく可能性を秘めています。