Visual Bankが新たなAIプロジェクト「GENIAC」に採択
Visual Bank株式会社が、経済産業省および新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主導する国内生成AI強化プロジェクト「GENIAC」に採択されたことを発表しました。今回の採択により、Visual Bankは約15億円の助成を受け、「IP産業向けAI実用データエコシステムの構築と実証」に向けた調査実証事業を2025年3月31日まで実施します。
プロジェクトの背景
現在、生成AIの開発においては、良質なデータが不足しているという課題があります。また、特に日本の漫画やアニメ、ゲームといったIP産業においては、データホルダーとAI開発者の間に情報の断絶が存在し、データの収集が進まないという現状があります。これにより、権利の侵害や無断利用が発生する可能性が高まっており、適切な権利処理や利用規約の整備が求められています。
Visual Bankは、「IP産業向けAI実用データエコシステムの構築と実証」という課題に取り組んでおり、具体的には産業に特化した基礎データセットの整備やデータライブラリシステムの構築を目指しています。この取り組みを通じて、IPデータを活用したAI開発が促進され、データホルダーの権利が守られることを目指しています。
実証調査の具体的なテーマ
今回は、以下のような3つの実証テーマが設定されています。
1.
IP産業向けのファインチューニングデータセットの整備
2.
IP産業に特化したデータライブラリシステムの構築
3.
データライブラリシステムの有効性を実証し、模範となる生成ユースケースの創出
これらのテーマは、データホルダーが安心してデータを預けられるための厳格な権利許諾や利用規約を整備することに基づいています。これにより、トラブルを避けつつ、IPコンテンツを活用した新たな生成AIの実用化が期待されます。
経済産業省のコメント
経済産業省の渡辺琢也氏は、日本の生産性向上においてデジタル技術の活用が重要であると述べています。生成AIはデータを活用する新たな時代を切り開く技術として期待されており、適切なデータ流通を促進する中心的な役割を果たすことが重要だと強調しています。Visual Bankの取り組みもこの流れの一環であり、AIの開発が日本のIP産業に新たな可能性を広げることを目指しています。
Visual Bankのミッションと未来
Visual Bankは「データの可能性を解き放つ」というミッションのもと、データホルダーとAI開発者の架け橋となります。今回のプロジェクトを通じて、日本発の「IP×AI」ユースケースを創出し続ける体制を整えていくことが目標です。利用規約や権利許諾の策定、データの管理方針、セキュリティ面の整備など、様々な課題に取り組むことで、安心・安全にデータを活用できる環境を整えていくことを目指しています。
この新たな試みが成功すれば、日本の漫画、アニメ、ゲームといった世界に誇るコンテンツを活用した生成AIが登場し、国際的な舞台で注目を集める可能性が広がります。Visual Bankの挑戦に期待が高まります。