仮想空間で学ぶ防災教育！「Roblox」新たな試みがスタート

新しい防災教育の形「Roblox防災教育」

2025年9月11日・12日、大阪で開催される「XR Kaigi Hub in 大阪」において、元消防士の監修による画期的な防災教育ゲーム「バーチャル消防士体験」が実演展示されます。このプロジェクトは、地域の防災教育を活性化するためにMeta Osakaが開発したもので、特に小学生向けに設計されています。堺市教育委員会と連携して行った実証実験では、子どもたちに実際の火災現場でのリアルな恐怖を安全に体験させ、防災意識を高めることを目指しました。

背景と開発の経緯

プロジェクトは、元消防士の江畑翔吾氏の実体験から始まりました。彼は東京消防庁での消防活動中に、「消防隊が出動しても間に合わないことが多い」という厳しい現実を実感。その結果、火の怖さを理解し、適切に避ける重要性を伝える教育が求められていると考えるようになりました。従来の防災教育が有効に機能していないと感じた江畑氏は、リアルな火災体験を安全に提供できる手段として、ゲームプラットフォーム「Roblox」を選びました。

Robloxは、誰でも簡単にアクセスできるプラットフォームで、特別な機器を必要としないため、学校現場でも導入しやすいのです。そのため、このバーチャル体験は、教育の場での可能性を広げています。

バーチャル消防士体験の概要

「バーチャル消防士体験」は、約4分間のタイムアタック形式で、以下の3つのステップで構成されています：

1. 火災発見：住宅内で煙を発見し、危険を察知します。
2. 119番通報：公衆電話から119番に通報。
3. 消火活動：火元を見つけて、ホースから放水する行動を行います。

この一連の流れを体験することで、子どもたちは実際の火災現場での行動を学び、注意力と判断力を養うことができます。また、堺市立少林寺小学校での実証実験結果を踏まえ、多くの子どもたちが楽しみながら学ぶ姿が報告されており、ゲーム形式での学習が効果的であることが示されています。

新たな火災現場体験のリニューアル

2025年10月の大阪・関西万博に向けて、本コンテンツはさらなるリニューアルを行っています。火災のリアルな現象を体感できるよう、以下の主要な危険現象も導入されます。

- バックドラフト：酸素供給による爆発的燃焼。
- フラッシュオーバー：室内全体が一瞬で発火する現象。
- 床抜け：高温で構造物が損傷し崩落する現象。
- 中性帯：煙層と清浄空気層の境界線を知ることができる体験。

これにより、プログラムの難易度が向上し、大人でも緊張感を持って学んでもらえる内容に進化します。江畑氏は、ゲームを通じて「本当の火災の怖さ」を体験し、いざという時に役立ててもらいたいと話しています。

結論

Meta Osakaの毛利英昭氏は、「単なる技術デモンストレーションではなく、社会課題解決に貢献できる取り組みを目指しています」と述べ、今後は全国の教育機関や自治体とも連携し、この先進的な防災教育を広く展開していく意向を表明しています。エンターテインメントの要素と教育的な価値が融合したこのコンテンツは、未来の防災教育に新たな可能性をもたらすことでしょう。

興味のある方は、ぜひ「XR Kaigi Hub in 大阪」へ足を運び、最新技術を体験し、この楽しみながら学ぶ新しい防災教育の形を実感してください。