雇用の壁を打破する新しい取り組み
シンガポールを拠点とするDigital Entertainment Asset(DEA)と日本アジア投資(JAIC)は、2025年9月より「障がい者バーチャル就労」というサービスの実証実験を開始します。
この取り組みは、企業が抱える障がい者雇用に関するさまざまな課題を解決し、障がい者の方々に新たな働き方を提供することを目指しています。
企業が直面する障がい者雇用の課題
障がい者雇用の法定雇用率を達成できていない企業は多く、特に障がい者の方々を採用する際にはいくつかの「壁」が存在します。それは、採用の知識不足や、適切な仕事内容の提供が難しい「採用の壁」、「就労の壁」、業務マネージメントの手薄さによる「マネジメントの壁」、そして彼らの職場定着を困難にする「定着の壁」です。また、将来のキャリア形成が難しいことも問題なのです。
バーチャル就労の紹介
この「障がい者バーチャル就労」は、ブロックチェーンゲームを活用した就労支援サービスであり、ゲーミフィケーションによる新たなアプローチです。障がい者の方々は居住地から外出することなく、バーチャル空間で仕事をすることができます。これにより、彼らの特性に合わせた柔軟な働き方が可能になり、環境への適応のストレスを軽減します。
- - 採用の壁の解決: JAICのグループホームに在住する障がい者の方々を企業が採用できる仕組みで、1名からの採用が実現可能です。
- - 就労の壁の解決: DEAの提供するゲームコンテンツ「JobFarmer」や「ECO CATCHER BATTLE」を通じて、簡単に就労が始められます。
- - マネジメントの壁の解決: 業務の進捗管理をDEAが行い、グループホームがサポートすることで、雇用企業は安心して業務を任せられます。
- - 定着の壁の解決: 専門スタッフによるケアで、障がい者の方々が安心して働ける環境を提供し、長期的な就労に繋がります。
- - 将来性の壁の解決: PCスキルやコミュニケーション能力を向上させるための研修が用意されており、キャリア形成をサポートします。
期待される未来と企業への影響
この実証実験を経て、障がい者雇用の新しい形が企業に浸透することが期待されています。JAICの代表である丸山俊氏は、このサービスが障がい者の方々に就労機会を提供するだけでなく、企業にとってもリスク軽減に繋がると考えています。
障がい者雇用の問題は、単なる数字合わせではなく、社会全体の問題として捉える必要があります。「障がい者バーチャル就労」は、企業、障がい者、さらにそのご家族にとっても有益な取り組みとして、2030年に向けたSDGsやESGへの貢献も注目されています。企業が障がい者雇用に対して積極的になることで、全ての関係者にとっての幸福を生み出すことができるでしょう。
最後に
今後も事業の進展に注目が集まります。「障がい者バーチャル就労」のサービスが一般化し、障がい者の方々が自立するための新しい希望のかけ橋となることを期待しつつ、本実証実験の行方を見守る必要があります。興味がある方は、ぜひ問い合わせ先までご連絡ください。