生成AIとゲームユーザーの意識調査から見えた期待と懸念
株式会社ゲームエイトは、ゲームユーザーを対象に生成AIの活用に関する意識調査を実施し、その結果を発表しました。この調査は、社会全体でAI技術の発展が進む中で、ゲーム業界がどのようにAIを取り入れ、ユーザーがそれにどう反応しているかを探ることを目的としています。また、共同企画パートナーとして株式会社スパイスマートが日中米のゲーム業界における生成AI導入実態調査を行い、興味深いデータを提供しています。
アンケート調査の目的
ゲームエイトは、国内最大級のゲーム情報メディア「Game8」を運営し、多くのゲームユーザーとの接点を持っています。これまでも定期的にユーザー調査を実施し、得られたデータを基にサービスや企業への提案を行ってきました。今回の調査では、ゲーム領域におけるAI活用について、ユーザーがどのように感じているのかを深掘りすることを目的としています。特に、AIに対する期待感や懸念、具体的な利用場面への受容度を年代別に比較し、デモグラフィック情報による認識の違いを明らかにします。
調査結果の概要
調査結果によると、ゲーム制作や運営における生成AI活用について、ユーザー全体の約66%が「やや期待している」または「非常に期待している」と回答しました。この数値は、AI導入に対するポジティブな見方を示しています。一方で、「どちらでもない」や懸念を抱いているユーザーも存在しますが、全体的には期待感が優勢です。
期待するAIの活用法
ユーザーが特に期待しているのは、「ゲームの品質向上」で、43.9%がこれを挙げています。次に「新しいゲーム体験の創出」(27.32%)や「ゲーム開発の効率化による新作リリースの増加」(28.29%)と続き、AIによる新たな価値に期待が寄せられています。
年代別に見ると、10代・20代は「ゲームの品質向上」が非常に高い期待を集めており、特に10代は最適化された体験への期待感が際立っています。一方、30代は「新しいゲーム体験の創出」にも強い興味を示し、多様な期待感が見られます。40代以上では安定した品質への期待が続いていますが、期待感は他年代に比べて控えめです。
懸念されるAIの影響
製品やサービスの向上期待がある一方で、ユーザーは生成AIに対して懸念も抱いています。「クリエイターの仕事が奪われるかもしれない」「著作権や肖像権の侵害が起きるのではないか」「ゲームの『魂』や『人間性』が失われるかもしれない」といった声が上がっています。これらの懸念は、AIが人間の創造性や倫理にどのように影響を及ぼすのかという点で、ユーザーが敏感に反応していることを示します。特に約33.17%がクリエイターの職業的な未来を不安視し、21.95%のユーザーが不適切なコンテンツの生成を懸念しています。これにより、高品質で安全なコンテンツが求められる状況が反映されています。
調査レポートの詳細
調査結果の詳細は、ゲームエイトの公式サイトにて公開されています。また、スパイスマートが提供する『LIVEOPSIS』では日中米のゲーム業界における生成AI導入実態調査が会員向けに配信中で、各国の傾向を比較分析しています。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
ゲーム業界における生成AIの活用は今後さらに進展していくと言われています。この調査結果を通じて、今後の業界動向やユーザーの反応に注目してください。