ゲームアプリ市場の動向
2025-07-31 12:09:32

ゲームアプリ市場の最新トレンドと成長戦略を探るセッションレポート

ゲームアプリ市場の最新トレンドと成長戦略を探るセッションレポート



2025年7月3日、六本木ヒルズで実施されたトークセッションでは、株式会社Skyfall、株式会社フォーエム、モバイル市場分析プラットフォームのSensor Towerが集まり、ゲームアプリ市場の最新の動向や成長戦略についての視点が提供されました。特に注目されたのは、これまでの1年間での市場変化や新たなマネタイズ手法です。

ゲームアプリ業界のトレンド


まず、Sensor Towerの秋本さんは、現行のアプリ市場の変化に触れ、新作ゲームの収益性が向上している一方で、既存タイトルの収益性は低下傾向にあると説明しました。2024年の新規タイトルに対するプレイヤーの支出は、2023年に比べて増加し、特にストラテジーゲームの人気が高まっているとのことでした。これは、ユーザーが質の高いサービスを求めているためで、エンゲージメントにつながる要因もあると指摘しました。

新たなマネタイズ手法の導入


Skyfallの池田さんは、近年のマネタイズトレンドとしてアプリ内広告(IAA)の導入が進んでいることに言及しました。これまであまり利用されてこなかったこの手法が、特にリワードを通じた広告マネタイズとして新たな収益源を確保しています。その結果、1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)やアプリ内課金(IAP)の増加にも繋がっており、ユーザー体験向上とも相まって、ゲーム開発者にとって重要な戦略となっています。

また、フォーエムの萩原さんは、無課金ユーザーでもプレイ時間が長いライトユーザーがマネタイズの鍵であると強調し、そのためにIAAの利用が効果的であることを示しました。ユーザーが広告を見たくなるタイミングを意識することも重要で、広告設計が進化しています。

日本市場と海外市場の課題


次に議論は、日本市場が直面している課題と、海外市場における成長戦略に移りました。池田さんは、韓国市場と日本市場の違いを示し、韓国では外部決済が一般的であるのに対し、日本では依然としてアプリ内課金に依存していることが課題であると述べました。この違いがARPU(1ユーザーあたりの平均売上)にも影響を及ぼしており、外部決済が利益率の向上に寄与する姿勢が求められています。

また、日本市場のマーケティング意識に関しても、海外では細分化された組織によるデータ分析の重視が進んでいること、そして広告不正防止のためのリスク管理がしっかりと行われている点が挙げられました。

成長戦略と今後の取り組み


最後に、将来の成長戦略について議論されました。秋本さんは、モバイルだけでなく、マルチプラットフォーム展開の重要性を挙げ、様々なデバイスでユーザーにアクセスできることの意義を強調しました。これにより既存タイトルでも新しい成長が見込めるとの説明がありました。

池田さんは、2025年12月に施行予定のスマホ新法に関連して、外部決済の導入を進める多くのパブリッシャーの姿勢が伺えたとし、特にポイント還元などのインセンティブ施策が進む中で、法の施行に備える意味でも重要な取り組みとして認識されています。

最後に、フォーエムの萩原さんは、リアルIPの活用に注目し、アニメキャラクターに留まらず、アーティストなどのリアルなIPもゲームアプリにおいて高いエンゲージメントを期待できる可能性を示しました。

このセッションを通じて、ゲームアプリ市場において新たなビジネスチャンスや発展の可能性が探られ、参加者にとって有意義な情報交換の場となりました。


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