肥満症に関する正しい理解を深めるゲーム型研修プログラムを紹介

肥満症に対する理解を促進する新たな挑戦

肥満は多くの人々にとって身近な問題でありながら、誤解や偏見が根強く残っています。日本イーライリリー株式会社と田辺ファーマ株式会社は、この肥満症に関する正しい理解を広めるためのプログラム「肥満と肥満症のただしいミカタ研修」を展開しています。この研修は、参加者に楽しく学びながら肥満症の見えにくい側面を理解してもらうことを目的とした体験型の取り組みです。

ゲーム型疾患啓発ツールの登場

今回、両社は「みえない偏見カード」と「みえない要因すごろく」という二つのゲーム型ツールを新たに開発しました。これらのツールは、肥満症に潜む目に見えない課題を参加者が楽しんで学ぶ手助けをし、無意識に抱かれがちな偏見や、肥満に関連するさまざまな要因への理解を促進します。

「みえない偏見カード」は、「肥満は自己管理の問題」という認識に疑問を投げかけ、日常のシチュエーションを通じて、参加者同士で意見を交わしながら、無自覚の偏見を可視化します。もう一つの「みえない要因すごろく」は、身体的や環境的、心理的要因が絡み合い、肥満や肥満症にどのように影響を及ぼすのかを理解するためのボードゲームで、進行する中で多様な要因を見つけ出します。

知識の深化がもたらす社会的変革

肥満はさまざまな健康問題と密接に関連しています。しかし、現実には「肥満は自己管理の結果」という誤解が広まり、この誤解が肥満症に対する偏見を助長しています。こうした偏見は、肥満症を持つ人々が適切な治療を受けるための妨げになっています。研修プログラムでは、医師の解説を通じて、これらの誤解を払拭し、肥満症に対する正しい知識を広め、「肥満＝自己管理の問題」という固定概念を打破しようとしています。

実施例とその効果

2025年12月10日には、これまでの取り組みを受けて一般向けの初回研修が開催され、企業の健康経営やウェルビーイングを推進する人々が参加しました。このイベントでは、活発なディスカッションが行われ、参加者は「みえない偏見カード」や「みえない要因すごろく」を使用し、自身の経験を交えながら意見を交換しました。医師による詳しい疾患解説も行われ、肥満症の位置づけや必要な治療に関する正しい理解を深める機会が提供されました。

参加者の声

参加者からは「自己管理だけの問題だと思っていたが、肥満症は病気であり、医学的治療が必要だということを学んだ」「無意識の偏見が潜んでいることに気づいた」という感想が寄せられ、研修の有益性は高く評価されました。参加者同士が異なる視点を持ち寄ることで、健全な職場環境や社会の実現に向けた意識を変える重要な一歩となったのです。