藤沢市が闇バイト対策をゲームで教育する新たな試みを開始

藤沢市では、急増する「闇バイト問題」に対抗するため、新しい取組みとして官民が連携し特別授業を開催します。これは、慶應義塾大学発のEdTechスタートアップ、株式会社Classroom Adventureが開発したゲーム「レイの失踪」と、トレンドマイクロ社の防犯アプリ「詐欺バスター」を統合した教育プログラムです。これにより、若者たちに対するリスク教育を強化しようとしています。

特別授業の概要

この特別授業は2025年7月11日（金）に藤沢翔陵高等学校で実施されます。藤沢市、Classroom Adventure、トレンドマイクロの3者が共同で行い、主に高校生を対象にします。授業では、自らリスクを体験し、適切な対処法を学ぶことを目指しています。

闇バイト問題の深刻さ

2024年の特殊詐欺被害統計によると、過去最高を記録しました。特に闇バイトに関しては、10代や20代の若者が約8割を占めることがわかっています。それに対抗するためには、ただの注意喚起だけでは不十分だと考えられています。この授業では、現実的なリテラシー教育を通じて、若い世代に自分事として捉えさせられる機会を提供します。

ゲームを使った実践的アプローチ

「レイの失踪」は、実際の事件を基にしたストーリーを提供し、闇バイトに関わる過程やその裏にある心理を体験できます。このゲームを通じて若者は、リスクを理解し、詐欺に騙される人々の心情についても考える機会を得ることができます。

以下に、データとして一部紹介しますが、すでに全国70以上の教育機関で、6万人以上がこのゲームを体験しています。

一方、「詐欺バスター」は、様々な詐欺の可能性を予見するための機能を搭載したアプリです。電話やメール、Webページに対する詐欺判定機能があり、これを授業に組込み、ゲーム内での勧誘を現実的な視点から評価し、必要な行動を身につけます。

先進的な官民連携

藤沢市は、これらの先進的な技術を取り入れることにより、地域の防犯を強化し、新たなモデルケースを構築しようとしています。この授業を通じて、若者たちだけでなく、彼らの周囲の人々へも情報が波及し、地域全体の防犯意識が向上することが期待されます。若者たちが自らリスクを体感し、対策を学ぶことで、実効性のあるリテラシー教育を実現し、特殊詐欺被害を減少させることを目指すのです。