沖縄電力とNTT西日本、社会貢献のための市民参加型電柱点検イベントを開催
沖縄電力株式会社とNTT西日本株式会社が、2026年2月1日から3月22日までの約2ヶ月にわたって開催する「ぼくとわたしの電柱合戦in沖縄」という、市民参加型の電柱点検イベントが注目を集めています。このイベントでは、Digital Entertainment Asset(DEA)が開発したゲーム「PicTrée」を通じて沖縄県民や観光客が参加し、自らの手で電柱を撮影することで、地域貢献に寄与することを目的としています。
イベントの背景
近年、日本では電柱や各種インフラの点検業務に対する労働生産人口の減少が問題視されています。このため、AIや画像認識技術を活用した効率的な点検が求められています。沖縄県内でも、地域資源を活用した観光活性化が進む中で、市民が手軽に参加できるコンテンツへの期待が高まっています。それに応える形で、通信会社と電力会社が手を組み、新たな地域貢献モデルの構築を目指しています。
イベントの内容
この「ぼくとわたしの電柱合戦」は、市民がゲーム感覚で沖縄本島や離島の電柱を撮影し、その写真をインフラ点検に活用することができます。具体的には、沖縄本島の糸満市や那覇市、さらに粟国島や石垣島などの離島を含む広範囲で約5万本の電柱を対象とし、参加者は自由に撮影することが可能です。参加方法も簡単で、アプリをダウンロードし会員登録をすることで誰でも無料で参加できます。
また、撮影を行った参加者には、電柱1本あたり30円相当のポイントが報酬として与えられ、Amazonギフト券などと交換できるシステムも用意されています。このように、楽しみながら社会貢献できる仕組みが整えられているのです。
技術面の革新
さらに、NTT西日本が提供するAI技術やリモート診断システムを活用することで、点検プロセスの高度化も実現しています。撮影された画像からAIが劣化や損傷を自動で検出し、専門家が遠隔から診断を行うことが可能になります。この取り組みによって、特に離島などアクセスが難しい地域においても、効率的かつ高品質な点検が行える体制が整うと期待されています。
各社の思い
沖縄電力の執行役員配電部長である阿波根直也氏は、地域の魅力を活かしたまちづくりに貢献できることを喜び、県民や観光客の参加を呼びかけました。また、NTT西日本の沖縄支店長・古堅誠氏は、インフラ点検のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速し、より安定したサービス提供を目指すと述べています。
一方で、DEAのピクトレ開発責任者である栗原英誠氏は、今回の取り組みを通じて沖縄の魅力を発見するロケーション型ゲームとしての新しい価値を見出すことができると確信しています。
このような市民参加型イベントは、地域の活性化だけでなく、インフラ管理の新たなスタイルを提案するものであり、今後の展開に目が離せません。
まとめ
「ぼくとわたしの電柱合戦in沖縄」は、地域に根ざした新しい電柱点検の形を提案するイベントです。単なるエンターテイメントにとどまらず、地域の住民が協力してインフラを守るという意義を持ちつつ、楽しみながら参加できるこの取り組みは、今後の社会貢献活動の新しいモデルとなるでしょう。