VRリハビリで小児がん患者の未来を変える！新たなエンタメ体験を提供

VRリハビリで小児がん患者を支援

近年、VR（仮想現実）技術が医療の現場でも注目を集めています。その中でも、小児がん患者のリハビリテーションを支援するための新しいプロジェクトが始まりました。岡山大学と日本電子専門学校が手を組み、負担を軽減しながらリハビリのモチベーションを高めることを目的とした2つのVRコンテンツが開発されました。

背景と目的

小児がんの治療は、長期的な入院を伴うことが多く、その間に子供たちは体力が低下したり、精神的なストレスを感じたりします。入院生活の中でリハビリの継続は難しく、患者は時に痛みや辛さに直面することとなります。そこでこのプロジェクトでは、そういった困難を克服するために、エンターテインメントの要素を取り入れたリハビリプログラムを提供し、楽しみながらリハビリに取り組む環境を整えることを目指しています。

開発の舞台

このプロジェクトには、日本電子専門学校の学生たちが参加しました。ゲーム制作科に加え、アニメーションやCG制作を学ぶ学生たちが協力し、医療現場からのニーズを意識しながら開発を進めました。この学際的なアプローチにより、リハビリが単なる運動ではなく、楽しく行える活動になることが期待されています。

具体的なコンテンツ

開発されたVRリハビリコンテンツは次の2つになります。

1. 魔法使いコンテンツ（上肢訓練）
このコンテンツでは、患者が腕を上げる動作に合わせてVR空間で魔法を発動させることができる仕組みです。モーションセンサーが動作を正確にキャッチし、楽しい演出やスコア表示を通じて、運動を楽しく継続できるよう誘導します。

2. 自転車コンテンツ（下肢・持久力訓練）
自転車エルゴメーターを使用したこのコンテンツは、仮想空間をサイクリングする体験を提供します。変化する風景やスピード表示によって没入感を高め、患者はより意欲的にリハビリに取り組むことができます。

パーソナライズされたアプローチ

両コンテンツとも、患者一人ひとりの状態に応じた運動負荷の調整やトレーニングデータの視覚化が可能です。これにより、安全かつ効果的なリハビリプロセスを実現し、精神的な負担を軽減します。

未来への展望

本プロジェクトは2025年に開催される「東京ゲームショウ2025」にて、特別に設けられる「オールアクセシビリティーコーナー」で初公開される予定です。障がいの有無を問わず、すべての人々が楽しめるゲームとして、エンターテインメントを通じて社会課題を解決する新たな提案です。

日本電子専門学校は、これからも技術と創造性を駆使し、誰もが笑顔になれるゲームを提供し続けることで、社会への貢献を目指していきます。この取り組みはただのリハビリに留まらず、新しい可能性を生む施策として期待を寄せられています。