RazerがシンガポールにAIセンターを設立
ゲーマー向けのライフスタイルブランドとして知られるRazerが、シンガポールに新たな「AIセンター・オブ・エクセレンス」を開設した。この拠点は、グローバルなAI戦略の一環であるとともに、今後、欧州や米国にも次々と設立される予定のAI拠点の基盤となる。シンガポールのAIセンターは、グローバルなリーチとコラボレーションの可能性を広げる重要な役割を果たす。
ゲーム業界の成長に対応
近年、ゲーム市場は急速に成長している。2033年までには市場規模が4000億米ドルに達するとされ、AIゲーム分野だけでも280億米ドルに成長する見込みだ。今後の成長が期待される中で、RazerはAI技術に注力し、進化するゲーム業界に対応した製品を生み出すことを目指している。特に、米国市場はRazerにとって、AIイノベーションと開発者との連携における鍵となる市場である。
Razerのチーフ・ストラテジー・オフィサーであるリ・メン・リー氏は、「このセンターはAIゲーム分野への戦略的投資であり、研究、人材、製品イノベーションを進めることで、ゲームの未来を切り拓いていく」と強調した。
シンガポールにおけるAIゲーム技術の推進
この新しいAIセンターは、シンガポール経済開発庁(EDB)、Enterprise Singapore、Infocomm Media Development Authorityの支援を受けながら設立された。次世代のAIゲーム技術の開発を目指すこの施設は、人材育成や先端研究、製品開発を加速し、イノベーションの中心となるだろう。特に、世界中のゲーム制作において、制作効率やプレイヤーエンゲージメント、ゲーム品質の向上をサポートするAIソリューションを提供することが期待されている。
Razerは、シンガポール国内で150名のAI専門人材を採用する計画も発表。これにより、エンジニアやデータサイエンティスト、ゲーム開発者といった専門職を強化し、AI技術の更なる進化を促進する見込みだ。また、DISGの支援を受けて、高エンゲージメント型の採用プロセスを設け、応募者にとって迅速かつ効率的な選考体験を提供することで、RazerのAIケイパビリティを拡張していく。
AIゲーム技術のグローバルな展開
Razerが開発したAIソリューションは、ゲーム開発者やスタジオ向けに、ゲームプレイの向上や開発工程の効率化を支援するためのツールを提供する。特に、「Razer Game Co-AI」という生成AIが搭載されたコパイロットは、プレイヤーの行動に応じたリアルタイムの戦術的コーチングを行い、よりパーソナライズされたゲーム体験を提供する。また、「Razer QA Companion」というAIソリューションは、自動化されたバグ検出や品質保証テストを行い、QA時間を最大50%短縮することで、ゲーム品質の向上と市場投入までの時間短縮に貢献する。
今後、Razerはシンガポールを基盤としつつ、欧州及び米国にもAI拠点を設立予定。これらの拠点は、地域ごとのイノベーションと人材育成に注力し、特に欧州では「WYVRN」と呼ばれる包括的開発者向けプラットフォームの拡大をリードする計画だ。このプラットフォームは、Razerの技術群にアクセスするための統合インターフェースを提供し、開発効率や創造性、プレイヤーエンゲージメントを向上させることを目指している。
詳細な情報についてはRazerの公式ウェブサイトをご覧ください。
Razerについて
Razerは、ゲーマーのために設立された世界的なライフスタイルブランド企業であり、高性能なゲーミングハードウェアやソフトウェアを提供。不正な使用を防ぐための厳格なプロセスを通じて、顧客満足を追求し続けている。2005年に設立され、世界中に広がる事業所を持つRazerは、持続可能な未来に向けた取り組みも行っている。詳細は
Razer公式サイトを参照してほしい。