作曲家・小野貴光が語る音楽制作の裏側と半生のエッセイ

作曲という名の戦場

2023年11月6日、作曲家として名を馳せている小野貴光のエッセイ『作曲という名の戦場』が幻冬舎より発売されます。この書籍では、作曲家としての彼の日常から、仕事論や収入の実態、さらには彼が辿ってきたバラエティに富んだ半生が赤裸々に描かれています。

作曲家のリアルな世界

本書では、作曲家の日常生活や仕事の厳しさが紹介され、一般の読者にとって驚きの内容が詰まっています。彼によると、作曲家はあらかじめ楽曲制作の発注を受けるのではなく、楽曲コンペに参加して曲を送って採用されなければ、報酬はゼロという厳しい実情があるとのこと。作曲家として成功するための道のりは、決して平坦ではなく、数々の挫折や下積み時代を経てきたことが伺えます。

小野さんは、16歳で秋田市から単身上京し、作曲家の道を目指しました。30歳までに多くの挫折を経験し、苦労の末に独立して自身の会社を設立。今ではAKB48や日向坂46、ゲーム音楽など、幅広いジャンルで多くの楽曲をプロデュースしています。彼の提供した楽曲は約750曲に及び、オリコン上位にも多くの作品がランクインするなど、その実績は計り知れません。

作曲とは何か？

作曲家としての小野貴光の考えや哲学も本書では触れられています。「良い曲とは何か？」「良いメロディの条件は？」といったテーマに対する彼の見解は、音楽を愛する人々にとって貴重な参考になります。さらに、AIによる作曲についての考察も興味深く、現代の音楽制作における技術の進展についても触れています。

謎に包まれた作曲家

小野貴光は、これまで表舞台に立つことを固辞し、その存在が謎に包まれた作曲家でもありました。SNSを持たず、取材も拒否してきたため、ヒット曲を持ちながら正体を知られない独特な存在感を放っていました。しかし、本書の発売を機に小室哲哉との対談が実現し、ようやく彼の素顔が明らかにされます。

書籍には、彼の楽曲を歌う人気声優である内田雄馬さんや千葉翔也さんからの推薦文も寄せられています。彼らは、それぞれの視点から小野さんの音楽への情熱と、作曲家のリアルな日常を語っています。

続く挑戦

音楽業界は厳しい競争や多くの挑戦が待っており、特に作曲家という職業は一歩間違えれば成果が得られない危うい道です。しかし、小野貴光はこの業界に身を投じる意味を見いだし、その情熱を持ち続けています。本書『作曲という名の戦場』は、そんな彼の波乱万丈な半生を通して、多くの創造的な職業志望者や音楽ファンに勇気を与える内容となっています。

作曲家としての実情や哲学、挑戦の物語が詰まったこのエッセイは、音楽に興味がある人にとって必読の一冊です。本書を通じて、小野貴光の音楽に対する情熱と信念を感じ取っていただければ幸いです。ぜひ手に取って、その世界に触れてみてください。